
AIの進化が、特にここ最近の進化が凄まじいことになっています。
1年ほど前、GitHub CopilotやCursorといったAIコーディングツールを業務外で試してみたことがありました。コメントを書くだけで関数をまるごと生成してくれたり、当時はそれだけでも十分すごいと感じていました。ただ、どこまでいってもコードの一部を予測、提案してくれるとこれまでで、開発の主導権は常に自分にある。そんな感じでした。
それが2025年の初夏、Claude Codeを使い始めて、それまでの考えが一変しました。
Claude Codeは、いわゆる「エージェント型AI」と呼ばれるものです。従来のAIツールがコードの「補完」をしてくれるものだったのに対して、エージェント型AIは開発そのものを「遂行」する。こちらが自然言語で要件を伝えると、ファイルの作成、コードの実装、テストの実行、バグの修正までを自律的にやってのけます。
使い始めた当時、これだけでも相当な衝撃でした。
ところが、そこからの進化がさらに凄まじく、Claude Codeはツールとしても急速にアップデートを重ね続け、できることの幅がどんどん広がっていきました。さらに大きかったのが、背後で動いているAIモデルそのものの進化です。特にOpus 4.6、Sonnet 4.6は前バージョンと比べると、コードの精度が上がり、こちらの意図を汲み取る力が増し、仕様の作成や実装、テストからバグの修正までなんでもこなせるようになってきました。ツールの進化とモデルの進化が掛け合わさって、当時の自分の想像を遥かに超えるところまで来ています。
今では、以前ならチームで数週間かけていた規模の開発を、自分一人とAIで回せてしまう場面が増えてきました。もちろん全部が全部そうではなく、複雑な要件定義やステークホルダーとの調整は人間にしかできないですが、「コードを書く」という工程に関しては、AIがいる前提で考える時代がもうすでに来ていると感じます。
そして、自分がそう感じているということは、遅かれ早かれ業界全体がそうなるだろうと思っています。
エンジニアの生産性が劇的に上がるとなると、これまで「何人月かかるか」で見積もっていた前提そのものが揺らぎます。工数で価値を測る時代から、「何を生み出せるか」で価値を測る時代へ。システム開発の構造自体が変わりつつあると感じています。
この劇的な変化を横目で見ているだけではいけない。そう思い、業務外で試していたAI駆動開発を、会社の一部のプロジェクトで正式に採用することにしました。
ただ、AIに任せれば何でもうまくいくかというと、そんなことはありません。どう指示を出せば精度の高いコードが返ってくるか、どこまでAIに任せてどこから人間が判断すべきか。自分自身も試行錯誤の連続で、その中で少しずつ「勘所」のようなものが見えてきました。今はそれをワークフローやベストプラクティスとして社内で標準化しているところです。
AI駆動開発の選択肢はClaude Codeだけではありません。OpenAIのCodex、GoogleのAntigravityなど、各社がコーディング特化のAIツールを次々と投入してきている。つい最近も、イーロン・マスク率いるxAIがCursorの共同創業者を引き抜いたというニュースがありました。それほど、AIによる開発支援は各社が本気で取りに来ている領域です。現時点ではClaude Codeが一歩抜きん出ていると感じていますが、この勢力図は今後いくらでも変わりえます。だからこそ、特定のツールに依存するのではなく「AI駆動開発そのもの」のノウハウを身につけておくことが大事で、ツールが変わっても、AIと一緒に開発を進めてきた経験や勘所はそのまま活きると考えています。
今後のコラムでは、そのあたりの実践的な話を書いていこうと思います。次回は、実際にClaude Codeをどう使っているのか、エージェントの構成やスキルの活用、日常のワークフローについて具体的に書いてみようと思います。